三万人のための情報誌 選択出版

書店では手に入らない、月刊総合情報誌会員だけが読める月刊総合情報誌

経済

敦賀絶望で「原発再編」の号砲

中部と北陸「部門統合」はなるか

2024年12月号

 その日11月13日まで、電力業界ではこう観測されていた。
「関電は福井県の事案からは逃げられない。受電3社は足並みを揃えるだろう」
 原子力規制委員会は同日、日本原子力発電の敦賀2号機(福井県)の再稼働を正式に「不許可」と決定した。すでに「原子炉直下に活断層がある可能性を否定できない」とする審査書をまとめていたが、2012年の規制委発足以来、初の不許可に踏み切った。
 日本原電は設置許可を一から取り直す再申請を行う方針。が、それには膨大な作業と費用がかかる。同原発の卸供給先である関西電力、中部電力、北陸電力の3社の了解が必要だ。東日本大震災のあと13年停止し、今後も再稼働を危ぶまれる原発に、3社は受電の基本料金を支払い、債務保証を続けるのか―。とりわけ関電の意向が注目されていた。
 もっとも、敦賀2号機が立地する福井県は関電にとっても原発7基の地元。県民感情を思えば、同原発を廃炉に追い込む仕打ちはできない。日本原電への支援は続くとみられていた。しかし……。
「また関電にやられた。あの会社は徹頭徹尾、自分のこ・・・

この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます