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経済

トランプ「バブル相場」の弾け方

金利も「ドル円」も大荒れ必至

2024年12月号

 ドナルド・トランプ氏が米大統領選挙で圧勝し、すでにイーロン・マスク氏お気に入りの暗号資産「ドージコイン」が大暴騰するなど、「バカになった者勝ち」の相場が始まっている。今年の株式市場は選挙イヤーとしては歴史的な強い相場となっている。選挙時点の年初来株価上昇率は、1936年(民主党:フランクリン・ルーズベルトの再選)以来の高さだ。選挙翌日にS&P500指数が2.5%上昇したが、これは史上最大。トランプ政権誕生によって、金融市場はこの先どうなるか。
 米国株や社債市場の長期的指標の多くは現在が「割高」「過熱」「楽観」「天井圏」であることを示している。一方で、崩壊が目の前に差し迫っている感じはまだない。トランプ減税期待で今のバブルが少し延命する可能性もあるかもしれないが、それはどの程度か。
 トランプ氏は法人税率を現行の21%から15%に下げることを公約に掲げる。減税によるS&P500指数の一株当たり利益(EPS)上昇効果は「4%」。インパクトは意外と小さい。法人税率が1%下がるごとに、S&P500指数のEPSは「1%弱」上昇する見通しだ。これは、すでに株価に織り込まれた・・・

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