北朝鮮「ロシア大増派」の危うい賭け
金王朝に満ちる不穏な雲行き
2024年12月号
最近、北朝鮮メディアが伝える金正恩総書記の写真にいくつか、小さな変化が起きている。一つは「974部隊」と呼ばれる背広姿のボディガードが写真に写りこむ回数が増えた。朝鮮中央通信が十一月五日に伝えた、正恩氏が平安北道の水害復旧現場を視察した二十九枚の写真のうち、十八枚にボディガードの姿が写っていた。建設中の建物から狙撃されることを恐れたのか、無線を聞くイヤホンを耳につけたボディガードたちは正恩氏を取り囲むように円を作り、周囲を警戒していた。
もう一つの変化は、同通信が同月一日に伝えた新型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星19」の発射を巡る写真に表れた。配信された二十二枚の写真を詳細にみると、二枚に「キム・ジュエ」と呼ばれる正恩氏の娘が写っている。ところが、一枚はジュエ氏の後ろ姿だけが、もう一枚は集合写真のなかの豆粒のような大きさのジュエ氏が、それぞれ写っていた。正恩氏の視察を伝える同通信の記事には、ジュエ氏が同行したことを伝える表現は一切なかった。
北朝鮮を分析している政府関係者の一人は、二つの変化は北朝鮮によるロシア派兵と関連があるとの見方を示す。「どちらも・・・
もう一つの変化は、同通信が同月一日に伝えた新型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星19」の発射を巡る写真に表れた。配信された二十二枚の写真を詳細にみると、二枚に「キム・ジュエ」と呼ばれる正恩氏の娘が写っている。ところが、一枚はジュエ氏の後ろ姿だけが、もう一枚は集合写真のなかの豆粒のような大きさのジュエ氏が、それぞれ写っていた。正恩氏の視察を伝える同通信の記事には、ジュエ氏が同行したことを伝える表現は一切なかった。
北朝鮮を分析している政府関係者の一人は、二つの変化は北朝鮮によるロシア派兵と関連があるとの見方を示す。「どちらも・・・