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国際労働機関「ミャンマー懲罰」の成否

軍事政権「暴虐抑止」を阻む壁

2024年12月号

  スイスのジュネーブに本部を置く国際連合の専門機関「国際労働機関(ILO)」がミャンマー軍事政権に対し、ILO憲章第三十三条に基づく「懲罰措置」を科す方針を固めた。軍事政権が市民の強制労働や労働組合員の弾圧を続け、ILO設置の審査委員会による「勧告」を一向に履行しないためだ。第三十三条はILO設立から百五年の歴史の中で過去二回しか発動されていない「伝家の宝刀」で、ミャンマーの労働組合や民主活動家はかねてILOに発動を迫り続けてきた。ただ、欧州連合(EU)や英国は表向き発動に賛同しつつも、クーデター後も現地で稼働を続ける欧州系アパレル企業の撤退につながらないよう「厳しい措置は避けるべきだ」と主張しており、ILOの苦悩は深い。
 ジュネーブで十月二十八日から十一月七日にかけて開かれた第三百五十二回ILO理事会。ミャンマー問題は同月六日に討議され、各国の政府代表らが次々と意見を述べた。
「われわれは、審査委員会の緊急勧告を思い出す必要がある。あれから一年以上が過ぎた。ミャンマーの軍事政権から提供された情報には、勧告に対する具体的な行動が示されておらず、国軍は事・・・

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