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ロシアでも隆盛「闇バイト」の恐怖

世界中で「テロ工作」の担い手に

2024年12月号

  日本で凶悪化する「闇バイト」に不安が広がるなか、ヨーロッパでも「闇バイト」と呼べそうな現象が起きている。ソーシャルメディア(SNS)を通じて素人が工作員として雇われており、各地で放火事件や妨害工作が頻発している。背後にいるのは、やはりあの国だ。
 二十一歳のラトビア人セルジェス・ホドノビチスは少なくとも二つの工作バイトに手を出した。ラトビア軍の飛行場の撮影とエストニアの首都タリンに位置するNATO(北大西洋条約機構)サイバー防衛協力センターの壁に落書きをすることだ。SNSを通じて現場への近づき方や尋問された場合の返答の仕方など詳細な指示を受けて実行し、それぞれ四百ユーロ(約六万五千円)稼いだ。
 セルジェスが二〇二三年に逮捕されたことを機に組織の一端が明らかになっていく。彼はSNSテレグラムを通じて知り合った「グリーン」に仕事に誘われた。グリーンは様々な工作の実行者を見つけるリクルーターとして報酬を得ていた。セルジェスは「MOT」と呼ばれる別のロシア系ラトビア人からも指示を受けている。この男はリクルーター兼仲介役であり、作戦の詳細を伝えたり、暗号通貨を・・・

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