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WORLD

「核拡散」に逆流する世界

米国への不信が招く「軍拡競争」

2024年12月号

  二〇二五年に発足する米国の新政権「トランプ2・0」がやりたい放題できる環境が整った。トランプ氏はアジア重視で対中強硬派と喜んでいられない。その先にあるのは世界における軍拡と核拡散という極めて危ない世界である。
 世界中が見守った開票作業で「確トラ」になると経済界は歓迎した。規制緩和や減税などを好感するトランプトレードで暗号資産(仮想通貨)ビットコインは値上がりした。高揚感すら漂う。
 確かに第一期政権(二〇一七~二一年)に比べて意外性はない。前回、トランプ氏はアメリカ・ファーストを唱えるアウトサイダーであり、取り巻くスタッフは極右思想を信奉するスティーブ・バノン首席戦略官ら異端児だった。
 トランプ2・0は共和党のエスタブリッシュメントが全面バックアップする政権だ。商務長官に指名された投資銀行キャンター・フィッツジェラルドのハワード・ラトニック会長兼最高経営責任者(CEO)や、新設される政府効率化省を率いる実業家イーロン・マスク氏などトランプ派だと旗幟鮮明にした財界人も少なくない。
 もはや米国社会が分断されているという指摘は正しく・・・

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