米国「メキシコ叩き」は限り無し
「関税・移民・麻薬」血みどろの対立
2024年12月号
米国のトランプ前大統領の返り咲きは、隣国メキシコにとって悪夢に他ならない。一期目で最大の貿易相手国であるメキシコを諸悪の根源と決め付け、メキシコ系移民を「性犯罪者」「麻薬密売人」とののしったトランプ氏。二〇二〇年七月のメキシコ紙の調査では、七〇%が同氏に「悪い印象」を持っていた。今回の選挙戦ではベネズエラやハイチの移民を直接的な攻撃対象としたため、メキシコは目立たなかったが、それでも選挙戦最終盤には「米国に猛烈な勢いで流れ込んでくる犯罪と麻薬をせき止めなければ、彼らが米国に送り込むモノに即座に二五%の関税を課す」と宣言した。調査機関UVMによると、メキシコ国民の八一%は対立候補ハリス氏の勝利を期待していた。
選挙翌日の十一月六日、メキシコ・ペソは〇・四%下落し、一時は二二年八月以来最安を記録。トランプ氏は選挙戦で移民、経済、治安問題の解決を特に重視したが、メキシコはいずれのテーマでもカギを握る国であり、無理難題を吹っ掛けられる予感に戦々恐々としている。
両国とも痛手を負う
十月一日・・・
選挙翌日の十一月六日、メキシコ・ペソは〇・四%下落し、一時は二二年八月以来最安を記録。トランプ氏は選挙戦で移民、経済、治安問題の解決を特に重視したが、メキシコはいずれのテーマでもカギを握る国であり、無理難題を吹っ掛けられる予感に戦々恐々としている。
両国とも痛手を負う
十月一日・・・