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経済

セブン&アイ「買収劇」が暴いた真実

「コンビニ劣化」井阪体制の怠慢

2024年11月号

 カナダのアリマンタシォン・クシュタール(ACT)からの買収提案という外圧にさらされているセブン&アイ・ホールディングス。ACTは買収額を当初の六兆円から七兆円に引き上げ、圧力を強めている。「会社発足以来、間違いなく最大の危機」(セブン&アイ幹部)のゴールはまだ見えない。
 ACTは七月に一株一四・八六ドルで買収提案した。当時の為替レートで換算すると、二千二百~二千四百円程度になる。だがセブン&アイが「著しく安い」と拒否すると九月中旬、一八・一九ドルに買収価格を引き上げたことが明らかになった。引き上げ報道が出た十月九日の為替レートで換算すると約二千七百円。その後に円安が進み、足元では二千八百円に近づきつつある。
 では実際の株価はどうか。二千二百~二千三百円程度で膠着状態に陥っているのが現実だ。ACTの提示した買収価格にさや寄せしていない。もちろん買収提案が明らかになる前の一千円台よりは上がっているため買収期待が全くないわけではないが、「今の段階では買収が成就するとは思われていないのだろう」(証券関係者)。

戸惑う株主や投資家・・・

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