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経済

魅力増す「防衛関連株」の先行き

暗い世界情勢が追い風に

2024年11月号

「有事の金」が不気味に高値を更新している。バンク・オブ・アメリカのファンドマネージャー調査(十月)では、最大のテールリスク(確率は低いが発生すると影響が大きいリスク)として地政学的衝突がトップに挙がった。今の安全保障と世界経済はまさに戦間期のようにかろうじてバランスを保っている。少し歯車が狂っただけで、世界は崩壊しかねない。「防衛関連株」について考えたい。
 欧州をはじめとして世界の防衛企業で株価の上昇が続いている。なかでも足元の業績見通しが大きく拡大していると言われる欧州の三社の株価を見てみると、BAEシステムズ(英)は五年で二・四倍、SAAB(スウェーデン)は三・一倍、ラインメタル(独)は四・五倍と大きく上昇している。 
 一方で、表(左頁)にある通り世界最大の防衛生産力を持つ米国勢はそれほどではない。
 RTXコーポレーションが一・四倍、ロッキード・マーティンは五年で一・七倍、(民間機の品質問題で揺れている)ボーイングが半分、ジェネラル・ダイナミクスが一・八倍、ノースロップ・グラマンが一・五倍などとS&P500指数の上昇率にも負けている。今年に入って・・・

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