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経済

石破惨敗でどん詰まる「原子力政策」

待ったなし「原発廃棄物」の新難問

2024年11月号

「すべてリセットだ。もはや柏崎刈羽原発の再稼働もみえない」
 215議席―、自公連立の石破茂政権は衆議院定数の過半数を大きく下回り、惨敗を喫した。電力業界には衝撃が走る。いや、総選挙の前から失望の声は広がっていた。石破本人にエネルギー政策の知見は乏しく、とりわけ原子力に対する消極姿勢が判明しつつあったからだ。
 10月12日、日本経済新聞電子版のインタビュー記事には〈石破首相「原発比率の低減ありうる」〉の見出しが躍った。政府が2040年度の電源構成目標を定める第7次エネルギー基本計画の策定を急ぐ中、その発言は岸田文雄政権からの後退、すなわち原発の新増設へ舵を切った現行方針との乖離を物語る。そこへ追い打ちを掛けたのが、有力な商工族議員の軒並み落選だ。
 甘利明、髙木毅、鈴木淳司、細田健一……、とりわけ重鎮の甘利は引退も囁かれ、経済産業省は後ろ盾を失う。裏金問題で無所属出馬した萩生田光一らを追加公認しても、石破政権は過半数に届かない。国民民主党、または日本維新の会と連携合意できるか、首班指名までに「少数与党」転落の可能性が高まれば、・・・

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