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習近平の中国「衰退」の本質

経済高成長の日はもう来ない

2024年11月号

 中国経済の不振が続いている。中国共産党の習近平総書記自身が、「中国経済がいくつもの困難と問題に直面している」と認め、国民に忍耐を求めた。官製メディアの報道は、経済不振が一時的なものであることを強調しているが、苦境の実態とその原因は遥かに深刻であると見られる。
 背景にあるのは、製造業と輸出に依存してきた高度成長型の「中国モデル」の破綻である。
 習指導部が強調するような「今は一時的な調整期間」といった弁解より、さらに深刻な構造的問題を抱えている。東アジアの経済エンジンは一転して、世界経済の重大懸念要因に浮上した。
 中国では2年連続で人口減少が記録された。今後もこの傾向は続く見通しで、「中国経済のピークは2021年だった」といった、すでに「中国は頂点を過ぎた」との議論も現れた。

官製統計でも「危機」くっきり

 中国人民銀行(中央銀行)の潘功勝総裁は、このところ大忙しだ。連日のように公の場に姿を見せて、マネーの動きをけん制し、中国の金融政策を弁護している。
「中国経済へ・・・

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