《世界のキーパーソン》ジョン・ロバーツ(米連邦最高裁判所長官)
米大統領選の「決着」で出番
2024年11月号
またもこの人に出番の時期がやってきた。11月の米大統領選挙である。普通の国では、選挙違反事件やごくまれに起きる僅差の開票結果で、裁判所が選挙にからむことがある。だが、訴訟大国・米国では、裁判所の出番になる。
2020年の大統領選も、「決着」を付けたのは連邦最高裁判所だった。ドナルド・トランプ陣営は、10以上の州で「選挙結果は間違っている」などの訴訟を起こした。いくつかは連邦最高裁に決着が持ち越された。
ジョン・ロバーツ長官の連邦最高裁は、「双方の主張に深入りしない」との姿勢で臨んだ。換言すれば、選挙管理委員会が認定した結果に、裁判所が介入することはない、というものである。最高裁は、トランプ陣営側の訴えをほぼすべて退けた。選挙で負けたトランプ陣営は、頼みにした裁判所でも負け続きとなり、法廷での逆転の道を断たれた。
11月の大統領選はまたも接戦が予想されている。裁判所関係者や弁護士事務所は臨戦態勢である。投票前から複数の「選挙訴訟」が争われている。
ロバーツ長官は1955年1月、ニューヨーク州バッファロー市生まれ。父親は製鉄大手の重役で、恵・・・
2020年の大統領選も、「決着」を付けたのは連邦最高裁判所だった。ドナルド・トランプ陣営は、10以上の州で「選挙結果は間違っている」などの訴訟を起こした。いくつかは連邦最高裁に決着が持ち越された。
ジョン・ロバーツ長官の連邦最高裁は、「双方の主張に深入りしない」との姿勢で臨んだ。換言すれば、選挙管理委員会が認定した結果に、裁判所が介入することはない、というものである。最高裁は、トランプ陣営側の訴えをほぼすべて退けた。選挙で負けたトランプ陣営は、頼みにした裁判所でも負け続きとなり、法廷での逆転の道を断たれた。
11月の大統領選はまたも接戦が予想されている。裁判所関係者や弁護士事務所は臨戦態勢である。投票前から複数の「選挙訴訟」が争われている。
ロバーツ長官は1955年1月、ニューヨーク州バッファロー市生まれ。父親は製鉄大手の重役で、恵・・・