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経済

SBI「拡大路線」が急失速

北尾「肝煎り事業」を覆う暗雲

2024年11月号

 SBIホールディングスの総帥である北尾吉孝氏が、静まり返っている。「進軍ラッパ」を吹きまくっていたのに、この夏以降、音無しなのだ。SBIグループ傘下のSBI証券は今年1月開始の新NISAで抜群の顧客獲得実績を上げていたが、異変が起きている。北尾氏肝煎りの事業も今後の不透明感が増してきた。同グループに視線が集まっている。
 ネット専業のSBI証券は話題性では野村證券や大和証券を凌ぐと言っていい。異変とは、金融商品仲介業者、いわゆるIFAを巡る動きだ。いま証券業界の一部で話題になっている。SBI証券が契約先の金融商品仲介業者に業務委託契約の「解約通知書」を送り付けたのだ。要するに、三行半の縁切り状にほかならない。
 金融商品仲介業者は証券会社と提携し、投資商品を主に個人や投資家に勧誘・販売する金融業者である。顧客の証券口座は提携証券会社に設置され、仲介業者は顧客から支払われる手数料、運用報酬を提携証券会社と分け合っている。いわば、投資勧誘の共同モデルだ。
 この事業を営んでいるのはSBI証券のほか、楽天証券、さらには、あかつき証券、東海東京証券などがある。年・・・

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