インド金融「預金枯渇」の崖っぷち
「モディ3・0」を襲う投資バブル
2024年11月号
世界一の人口14億人超を誇り、急速な経済成長を遂げるインド。世界で存在感を増すこの国の金融界に深刻な歪みが生じている。貸し出しが預金を上まわり、預貸率が急激に上昇。貸し出すカネがなくなってきているのだ。「銀行システムが構造的な流動性問題に直面する可能性がある」。インドの中央銀行であるインド準備銀行(RBI)のシャクティカンタ・ダス総裁は警鐘を打ち鳴らす。インド経済の病根を見てみよう。
ナレンドラ・モディ首相は十月の経済会議で高らかにこう述べた。「世界的な不確実性のなかにあっても、インドは世界五位のGDP(国内総生産)を誇る最も急成長している主要経済国だ」「雇用、技能、持続可能な成長、そして急速な拡大の継続がモディ3・0(第3次モディ政権)の目指すところだ。我々は絶好の位置につけている!」。だが、モディ3・0は早くも前途多難となっている。
デリバティブ取引の大ブーム
「預貸率」は銀行の経営指標で「貸出金(信用)÷預金×100(%)」で計算される。100%を超えていると貸し・・・
ナレンドラ・モディ首相は十月の経済会議で高らかにこう述べた。「世界的な不確実性のなかにあっても、インドは世界五位のGDP(国内総生産)を誇る最も急成長している主要経済国だ」「雇用、技能、持続可能な成長、そして急速な拡大の継続がモディ3・0(第3次モディ政権)の目指すところだ。我々は絶好の位置につけている!」。だが、モディ3・0は早くも前途多難となっている。
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