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政治

政治混迷で「官僚主導政治」の復活

自民党衰退にほくそ笑む霞が関

2024年11月号

 総選挙前半の10月18日午後、東京都港区のグランドプリンスホテル新高輪で開かれた「JA全国大会」で石破茂首相はビデオメッセージで祝辞を述べ「(私は)防衛(議員)と言われるが、農水省の政務次官、総括政務次官、農相と農政に関わってきた。(中略)充実した体制で臨む。農業こそ日本を救う」とエールを送った。
 大会はほぼ3年に1度。全国農業協同組合中央会(JA全中)が主催し、全国約500のJAやJA関連団体の代表が、JAグループが目指す姿や方向性を確認する。
 以前は、自民党の幹事長ら各政党の代表を招いていたが「衆院選の最中なので党の関係者は招かなかった」(JA全中幹部)という。政治的に中立だという姿勢を明確にする狙いがあった。
 一方、ラブコールを強めているのは自民党側だ。首相が「充実した体制」と強調するように、石破内閣は前例がない「農林シフト」だ。農相経験者の首相は、一時的な兼務を除くと羽田孜氏以来30年ぶり。石破内閣では林芳正官房長官も農相を経験し、ともに農林水産副大臣だった伊東良孝地方創生兼沖縄北方担当相と阿部俊子文科相が入閣。自民党の体制も、森山裕幹事長・・・

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