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中国先端産業の躍進は「虚構」

AI・半導体「国産化」の限界

2024年11月号

 米国から厳しい技術封鎖を受ける中国は独自開発、国産化に全力を挙げ、その成果を誇示している。国家の競争力を規定する半導体やAIでは「ブレークスルー」を強調する報道があふれているが、大半が外国製品を国産と称する虚偽や性能の過大表示など“大本営発表”の類だ。1990年代以降、外国技術を窃盗、模倣し、その延長線上で独自色をつけ、生産拡大でコスト削減を進めて、外国製品を市場から排除する技術開発しかしてこなかった国家に、先端分野を切り拓く力はない。安売りEV、スマホのグローバル市場での躍進で技術力があると誤認させるのが関の山だ。
 中国のデジタル技術を牽引するファーウェイが世界最高水準を宣伝し、販売を始めた人工知能(AI)アクセラレーター装置に台湾のTSMCが生産した半導体が組み込まれていたことが十月に報道で発覚した。ファーウェイは「中国技術のみで組み立てられた」と標榜していたが、虚偽だった。米国政府はTSMCにファーウェイはじめ中国メーカーへの先端半導体供給を禁止しており、ファーウェイは入手可能な第三国メーカーをダミーとして、TSMC製品を不当に入手していたと・・・

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