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頼清徳「対中方針」の巧みな変身

習近平を悩ます「新二国論」

2024年11月号

 台湾の公式な名称は「中華民国」。これは第2次世界大戦後台湾にやってきた外来政権である国民党がもたらしたもので、台湾の与党政治家たちは「中華民国」を口にすることは「絶対にない」といわれた。ところが頼清徳総統は就任後、従来の台湾独立派的な主張を全くしなくなり、「中華民国」をしきりに強調するようになった。頼氏は「独立は絶対許せない」という中国の攻撃をかわしながら、中華民国の正統性を強調することで、「中華人民共和国による台湾併合」という中国の習近平政権の主張に正面から反論していると受け止められている。
 独立派とされていた頼清徳総統の「変化」は、現状維持を重視する米国をはじめ、国際社会への対策の一環といえる。同時に「独立分子を粉砕する」と意気込む習近平政権は怒りのやり場がなくなり、対台湾政策は迷走を始めたようにみえる。

「中華民国」の多用

「中国のやっていることはちぐはぐだ。習政権の真意が読めない」。台湾の与党・民進党の対中政策を担当する幹部は最近こう語った。
 中国人民解放軍は10月14日、陸・・・

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