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イラン空爆が招く「次の報復」

ホルムズ海峡封鎖はあるか

2024年11月号

 ついにイスラエルが報復へと動いた。10月26日、イスラエル軍はイランのミサイル製造施設など約20の標的に、3時間にわたる精密攻撃を敢行した。この攻撃に対して、イランがどのように応じるのか、争いの火種が新たな局面へと燃え広がろうとしている。

湾岸諸国への脅し

 戦火はやむことを知らず、ガザからレバノンへと戦線の重心がシフトする中、犠牲者の数は1カ月足らずで2千人を超えた。「イスラエルは新たな段階に突入した」と湾岸諸国の政府関係者は危機感をあらわにしている。
 中東の緊張が極限に達する中で、次の一手を巡る駆け引きが世界の注目を集めている。
 イスラエルの攻撃は止まらない。7月末、イランとの連絡役を務めていた最高幹部シュクル司令官が暗殺され、ヒズボラのカリスマ的指導者ナスララ師までもが9月末にあっけなく殺された。後継者候補とされたナスララ師の従兄弟サフィエディン師や他の有力幹部も次々に殺され、組織の指揮系統は混乱に陥った。中東のメディア関係者は、「シュクル司令官は、ヒズボラ幹部のふりをしたイス・・・

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