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社会・文化

《日本のサンクチュアリ》人質司法

報道と世論が加担する「国家犯罪」

2024年10月号

 検察・警察による違法捜査を疑われる事件が後を絶たない。誤認逮捕や冤罪事件も相次いでいる。歪んだ刑事司法の根源に巣くっているのが、国際的に悪名高い「人質司法」の悪習だ。
 日本の検察・警察はいったん逮捕したら最後、自分たちの描く事件のストーリーに従わなかったり、よもや否認するなど「お上」に反抗的な態度をとる被疑者を徹底して締め上げる。推定無罪の原則などどこ吹く風、裁判も開かれていないのに何百日も狭い独房に監禁し、身体を「人質」に取って被疑者を心理的に追い詰め、それを取り調べと称して脅迫的に「自白」を強要する。その異常な刑事手続きが裁判官公認で常態化し、多くの過ちを犯しているのに改めようとしない。司法全体の構造的退廃に他ならない。
 だが、無罪・冤罪事件をきっかけに時々問題になっても、世間もマスコミも何となく長年の慣行のように許容しているのが実態である。「人質司法」がいかに多くの被害を生み、不正義をはびこらせてきたか。実際に人生を破壊され、生命すら奪われた例は数知れない。社会悪を生み出す司法など悪夢でなくて何であろう。

検事と裁判官の恐るべき「暴力」・・・