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社会・文化

総裁選と「米国大使館」

水面下での「日本政界工作」

2024年10月号

 史上最長の選挙期間と誇るが、つまりは間延びした自民党総裁選が終わった。
 序盤から地方の党員票を確保していた石破茂元幹事長が、最終的に決選投票では議員票でも高市早苗・経済安全保障担当相を超えて一〇二代内閣総理大臣の座を射止めた。
 メディアが連日空騒ぎを繰り返した総裁選の様子を冷静な目で見つつ、水面下で動いていた者たちがいる。在日アメリカ大使館とその関係者である。「米国としては次期首相が米国の意向を重要視する人物か、もっと言えば、使いやすい人物かどうかが唯一の関心事。自分たちの意思を明確に日本政府側に示していた」 と、大使館関係者は打ち明ける。
 その実情が顕著に現れたのが、八月三十日の米大使館での一件だ。前駐日大使で現在はテネシー州選出の共和党上院議員を務めるウィリアム・ハガティが来日し、米大使公邸で夕食会が開かれた。この場に日本の政治家らも招待された。

評価されないハーバード留学組

 ハガティと言えば、ドナルド・トランプ前大統領の側近の一人で、「大統領選ではトランプの副大統・・・

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