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石破外交「迷走不可避」

新政権を待つ非情な世界情勢

2024年10月号特別リポート

 日本の石破茂新首相に、海外から高い注目が集まっている。国際社会の最大の関心は、岸田文雄政権時代の親米・軍備拡張路線をどの程度継続し、日本の安全保障、外交を新時代に向け、どう構築していくのかに尽きている。
 石破首相は、北大西洋条約機構(NATO)のアジア版構築を提唱し、中国やロシアなど権威主義的な非民主主義国家群との対決を唱えてきた。このため中露両国や北朝鮮は、日本近海での軍事的威嚇、領海侵犯などの挑発を強め、新政権を早々に試すと見られている。外交面、特にアジアにおける安全保障問題では、新政権が中露朝に対して、早急に毅然とした姿勢を示すことが求められる。
 岸田政権時代に始まった、短期間での大規模軍拡路線は、ほとんど国民に説明がないまま実施された。石破首相にとっては前政権の軍拡を継続する以外に、ほとんど選択肢はない。その場合、国民が納得できる説明だけでなく、国家防衛のための新政策、新態勢づくりに向け、国民の十分な理解と納得を得なければならない。
 一触即発の世界は、新政権にほとんど時間を与えない。日本の防衛力、外交を強化しない限り、「石破外交」は前政権と・・・