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政治

石破政権は意外と長期の可能性

衆参選挙で「大敗回避」の雲行き

2024年10月号

 八月十四日の岸田文雄前首相の退陣表明から、実質一カ月以上にも及んだ自民党総裁選は決選投票の末、石破茂元幹事長が第二十八代総裁を射止めた。十月一日には第百二代首相に就く。自民党派閥裏金事件を受けた派閥解消の流れを踏まえ、党始まって以来の「派閥なき総裁選」を勝ち抜いた石破政権は、迫る次期衆院選、来年夏の参院選を乗り切り、果たして長期政権を築けるのだろうか。
「『顔見せ』しておかないといけないと思ったのだろう。次の政権は短命に終わるかもしれないからだ」。森山裕総務会長は総裁選に九人もの候補者が出馬したことをこう読み解いた。世耕弘成前参院幹事長も「勝ち馬に乗らなければいけないが、かといって次の政権は長くない。その時を見据えて力を蓄えておかなければいけない」と自身が率いた清風会(旧参院安倍派)のメンバーに漏らしていた。
 下馬評で人気の高かった石破元幹事長、小泉進次郎元環境相、高市早苗経済安全保障担当相の「三強」について多くの国会議員が政権運営に不安を覚えていた。長期政権を誇った中曽根政権には田中派、小泉純一郎政権や第二次安倍政権は清和政策研究会(旧安倍派)という最大派閥の・・・

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