三万人のための情報誌 選択出版

書店では手に入らない、月刊総合情報誌会員だけが読める月間総合情報誌

政治

小泉進次郎が「急失速」した理由

《政界スキャン》

2024年10月号

「今、総理にならない方がいいのにね」
 結局、父親のこの言葉が、何より正鵠を射ていたと言うべきか。自民党総裁選で、当初は最有力との見方もあった小泉進次郎氏への党員の支持が急失速した。小泉純一郎元首相が路上で日本テレビの取材に「やめた方がいい」と言い切ったのは、総裁選が告示され、立候補届け出があった九月十二日夕。その後の討論会や記者会見で、進次郎氏の発言への疑問や失望が広がる前のことである。
 純一郎氏は息子がまだ力量も準備も足りないのを客観的に認識していたということか。あるいは、自民党不信の解消が誰にでも容易でない時に、あえて火中の栗を拾うのは損だという意味か。そのどちらでもあるのだろう。
 告示日前夜、純一郎氏は自分の内閣の閣僚だった議員たちとの会食で親子の会話を披露した。進次郎氏に「まだ四十代で早過ぎる。五十歳を過ぎてから考えればいい。今は誰かを応援した方がいい」と助言したこと。「でも、もう大人だからあれこれ言わない。自分で判断しろ」と伝えると、進次郎氏は黙って笑顔を見せたこと。自分が総裁選に三回挑戦した経験を振り返り、「やるからには頑張るしかない。人・・・

この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます