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イーロン・マスク「親露」の虚実

米大統領選「情報工作」に加担か

2024年10月号

 ロシアのウラジーミル・プーチン政権が再びアメリカ大統領選をかき回そうとしている。情報工作を仕掛け、二〇一六年と同様に、ロシアに融和姿勢を見せる共和党候補ドナルド・トランプを勝たせようと介入しているようだ。アメリカの大物起業家が絡んでいる可能性もある。
 アメリカ司法省は九月、選挙を狙ったロシア政府による工作を告発し、同国国営の対外発信メディアRTの社員二人を起訴した。テネシー州を拠点とするメディアに一千万ドル提供し、TikTok、インスタグラム、X(旧ツイッター)、ユーチューブに大量の動画を投稿し拡散させたとした。当局は巨額の報酬を受けた極右インフルエンサー三人も名指しした。
 実はこの三人はX会長イーロン・マスクと頻繁にXで交信していた。インスタグラムを運営するメタはすぐにRTなどに自社アプリの使用を禁止する措置を打ち出したが、Xは動いていない。
 Xの運営の一端も最近、公にされている。二二年にマスクがツイッターを四百四十億ドルで買収した際の出資者などの開示を求める訴えをジャーナリストが起こした。ワシントン・ポストが入手した資料によれば、約百の団体や個・・・

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