日本の科学アラカルト 170
医療の未来をも変える 日進月歩の「ナノマシン」
2024年10月号
『ミクロの決死圏』―。1966年に公開された米国のSF映画だ。脳にダメージを負ったものの外科手術が不可能な患者に対し、医師らが小型化して体内に入り治療するというストーリー。現在のようなコンピュータ・グラフィック技術はないため、体内の表現は写実的ではないが、医師たちが戦うシーンには血湧き肉躍る。
人間を小型化するのは荒唐無稽な設定のようだが、この映画から六十年近くが経った現在、医師たちが乗っていた宇宙船のようなビークルは実現可能性が増している。
マイクロマシン―。文字通り「小さい機械」だ。ただしその大きさは千差万別で、マイクロメートル(μm、100万分の1メートル)レベルだけでなく、ミリメートルや、ナノメートルサイズのデバイスを作ろうという研究が進んでいる。たとえば、人間の赤血球は数μmのサイズだが、同スケールの物質を血管中で操作する実験が既に行われている。
今後は特定の薬剤を、体内の患部だけに運搬して副作用を劇的に少なくするシステムの開発が期待されている。
ただ現時点でラジコンカーのように自在に操作できるマイクロマシンは実用化・・・
人間を小型化するのは荒唐無稽な設定のようだが、この映画から六十年近くが経った現在、医師たちが乗っていた宇宙船のようなビークルは実現可能性が増している。
マイクロマシン―。文字通り「小さい機械」だ。ただしその大きさは千差万別で、マイクロメートル(μm、100万分の1メートル)レベルだけでなく、ミリメートルや、ナノメートルサイズのデバイスを作ろうという研究が進んでいる。たとえば、人間の赤血球は数μmのサイズだが、同スケールの物質を血管中で操作する実験が既に行われている。
今後は特定の薬剤を、体内の患部だけに運搬して副作用を劇的に少なくするシステムの開発が期待されている。
ただ現時点でラジコンカーのように自在に操作できるマイクロマシンは実用化・・・