三万人のための情報誌 選択出版

書店では手に入らない、月刊総合情報誌会員だけが読める月間総合情報誌

経済

明治HD「危ないワクチン」で大儲け

税金がぶ飲み「コロナ特需」の今更

2024年10月号

 安全性の懸念があり、使われないコロナワクチンを国が毎年400億~500億円で買い上げる。こんなあきれた話が今、進行中である。
 このワクチンは、10月1日から始まった定期接種で明治ホールディングス(HD)の子会社であるMeiji Seikaファルマ(以下、MSP)が供給する「コスタイベ」だ。買い上げの裏には、厚生労働省の明治HDに対する「恩返し」ともいえる、国民不在の構造がある。このままでは、莫大な国費をドブに捨てるようなものだ。
 定期接種は65歳以上の高齢者と基礎疾患を有する60~64歳の人が対象だ。用いられるワクチンはファイザー、モデルナ、武田薬品工業(ノババックス社製を導入)、第一三共、MSP製の五種類だ。第一三共とMSPは、言うまでもなく国内企業。日本政府が切望した国産ワクチンが遂に実用化、というわけだ。
 だが、「コスタイベ」問題は看過できない。このワクチンはMSPが米バイオ企業アークトゥルス・セラピューティクスから導入して昨年11月に承認された。今年9月、オミクロン株から派生したJN・1株などに対応するようにして「一部変更承認」された。{b・・・

この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます