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「韓国敵視政策」で揺らぐ北朝鮮

金正恩体制に兆す変調

2024年10月号

 北朝鮮の金正恩総書記が走り回っている。朝鮮中央通信が9月1日から19日までの間に伝えた正恩氏の公開活動は計15回に上る。週末の休みだけしかないサラリーマン並みの忙しさだ。一カ月以上、動静が途絶えたこともある昨年と比べても、東奔西走ぶりが際立つ。
 9月8日には翌日の建国記念日を前に、朝鮮労働党や政府幹部が一斉に金日成主席らの遺体が安置された錦繍山太陽宮殿を訪れたが、正恩氏や妹の金与正氏だけでなく、趙甬元党書記や崔善姫外相らの姿もなかった。米韓情報筋は「欠席したのは、常に正恩と行動を共にしている最側近ばかり。正恩は宮殿に行かなかったが、休んでいるわけではなく、非公開で活動をしていたのだろう」と指摘する。
 実際、正恩氏は9日、演説を行い、各界各層がより努力して活動するよう督励した。建国記念日に合わせた演説は初めてのことだ。同筋は、正恩氏の忙しい日常生活について「正恩は怯えている。走り回らないと不安で仕方がないのだ」と説明する。

明らかな準備不足

「金正恩の不安」をうかがわせる一例が10月7・・・