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東アジア「超少子化」の将来図

加速度的に進む「経済沈降」

2024年10月号

 北米、西欧と並ぶ世界の経済センター・東アジアで、人口問題が大きな影を投げかけている。東アジア経済を引っ張る中国、日本、韓国がそろって人口減少と労働力不足に直面しているのだ。
 三国とも、家庭と仕事のバランスや女性労働力の活用といった、労働と人口の基本的問題に取り組んでこなかった。このため、少子高齢化が人口学者の予想より早く、かつ深刻な形で進行している。経済成長の足かせになるのは必至で、世界経済の勢力図にも影響を及ぼしそうだ。
 東アジアの成長鈍化を裏付けるのは、各国の人口動態である。日中韓三国とも、そろって少子化が著しく、人口減少~労働力激減のガケがすでに現実のものとなりつつある。
 特に韓国の少子化は異次元である。合計特殊出生率は昨年、0.72まで下がった。
 合計特殊出生率とは、一人の女性が一生の間に産む子供の数の目安だ。15歳~49歳の女性の年齢別出生率を合計したもので、人口を維持するためには2.07が必要とされている。
 韓国は1983年にこの数字を割り込み、2018年にはついに1.0を割って0.98を記録した。その後も少子化・・・

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