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経済

日本原電「東西分割構想」が再燃

敦賀二号機「不許可」が生む混沌

2024年9月号

 原子力村の一部からは、心火の叫びが上がる。
「山中は、教え子を見殺しにする気か!」
 原子力規制委員会の委員長・山中伸介は8月2日、日本原子力発電の敦賀二号機(福井県)に事実上の“死刑判決”を下した。
 東京電力・福島第一原発の事故後に策定された新規制基準は、活断層の真上に建つ原発の運転を認めていない。敦賀二号機の敷地内にある「K断層」が活断層か否か、また原子炉の真下まで連続しているか否かは、規制委の発足直後から12年越しの論争である。それに「いずれも否定できない」と決着を付けたのだ。
 同日、日本原電の社長・村松衛は追加調査と立論の見直しを訴え、「2カ月後には具体的計画を示せる」と食い下がったが、委員5人の判断は覆らなかった。山中は「新たな立論の根拠を得られる可能性は乏しい」と総括、10月には正式に「不許可」の審査書が通知される見通しだ。敦賀二号機が廃炉となれば、日本原電はまさしく存亡の瀬戸際に立たされる。
 山中の胸懐はどうだったか―。大阪大学副学長から規制委委員長へ転じた山中は、京都大学と並んで近畿圏を代・・・