「第三次石油危機」に備えよ
中東「紛争拡大」で何が起きるか
2024年9月号
中東情勢がきな臭い。2023年10月のイスラム組織ハマスによるイスラエルへの奇襲攻撃でパンドラの箱が開いた。少し前まで想像もしなかった「第三次石油ショック」が「ありうべきシナリオ」として浮かんできた。
ハマスの奇襲以前から連綿と小規模な武力衝突は続いていた。しかし「いつもの紛争」と見なされ、戦争拡大に向けたマグマが溜まっているとの受け止め方はほとんどなかった。それどころかサウジアラビアが23年にイランと国交正常化で合意し、イスラエルに接近するのを見て中東は平和に向かっているとの見方すらあった。
日本での反応を思い出してほしい。昨年10月のハマスの奇襲攻撃後も「戦闘はガザ地区に限定される」との見方が多かった。外交関係者、メディア、研究者などの「専門家」のほとんどがそうした観測を述べていたのではないだろうか。その根拠は「本格的な衝突はだれも望んでいない」だった。
誤りだったのは明らかだ。イランとイスラエルが直接、戦火を交えるところまできた。だいぶ前から中東の空気は変わっている。
理由はイスラエルの政治が抜き差しならぬ状況になっていることだ。・・・
ハマスの奇襲以前から連綿と小規模な武力衝突は続いていた。しかし「いつもの紛争」と見なされ、戦争拡大に向けたマグマが溜まっているとの受け止め方はほとんどなかった。それどころかサウジアラビアが23年にイランと国交正常化で合意し、イスラエルに接近するのを見て中東は平和に向かっているとの見方すらあった。
日本での反応を思い出してほしい。昨年10月のハマスの奇襲攻撃後も「戦闘はガザ地区に限定される」との見方が多かった。外交関係者、メディア、研究者などの「専門家」のほとんどがそうした観測を述べていたのではないだろうか。その根拠は「本格的な衝突はだれも望んでいない」だった。
誤りだったのは明らかだ。イランとイスラエルが直接、戦火を交えるところまできた。だいぶ前から中東の空気は変わっている。
理由はイスラエルの政治が抜き差しならぬ状況になっていることだ。・・・