大学「新規増設」と定員拡充の狂気
少子化「定員割れ」が深刻なのに
2024年9月号
国公立、私立を問わず、日本の大学に「定員割れ」が広がっている。2023年度は私大の53.3%が一部の学部、学科で定員割れし、学費の安さを売り物にする公立大も定員充足率が低下、国立大ですら北海道、東北、四国など地方で定員を満たせなくなりつつある。加速する人口減少、少子化を直視すれば、大学は規模縮小、整理・再編が不可欠だが、現実は逆のことが起きている。25、26年は学部、学科の新増設ラッシュに加え、大学四校の新設さえも計画されている。日本の大学は狂気の戦略を進め、有名校含めて大倒産時代に自ら突進しつつある。
「これから地獄をみるだろう」
25、26年の学部・学科の新設や既存学部の改変でまず目立つのは、データサイエンス学部・学科への改変や新設だ。20年以降、「猫も杓子もデータサイエンスという熱病のようなブーム」(東京の私大関係者)が起きているが、それが一部では受験生の拡大に貢献したこともあって、現在も持続している。
データサイエンティスト、データアナリストなどの職種が高収入に結びつくという受験生の思・・・
「これから地獄をみるだろう」
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