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連載

新大学評判記 第57話

国際基督教大学(ICU)「東女」と連携で人気回復なるか

2024年9月号

 東京西部の三鷹市に広大なキャンパスを持つ国際基督教大学(ICU)は教養学部アーツ・サイエンス学科のみで学生数約3千人の小規模校だが、早慶上智に次ぐ高偏差値校として意識の高い受験生に認知されてきた。徹底した英語教育で語学力や国際性を備えた学生を送り出し、企業の評価も高い。秋篠宮家の眞子様、佳子内親王が学ばれ、ブランド力も高まった。だがバイリンガルとリベラルアーツは今や文系大学の“標準装備”と化し、強みの薄れたICUは志願者数の減少、入学偏差値の低下に直面しつつある。
「国際」を冠した大学は全国に多数あり、その多くが偏差値すら表示できない「Fラン」大学。国際がつく大学で難関校はICUと秋田市の国際教養大学くらいしかない。ICUは「Fラン」大学か、地方立地の大学と勘違いされかねないハンディキャップを負っている。

志願者数の長期減少傾向

 1949年の創設は日米のキリスト教指導者が話し合って決め、高松宮が設立準備委員会の名誉総裁、一萬田尚登日本銀行総裁が募金集めを担当、GHQのダグ・・・