三菱UFJ「証券戦略」の三重苦
法令違反が止まらない理由
2024年9月号
三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)に対するファイアウォール違反事件は、金融庁の処分が発出されて2カ月強が過ぎた。業務改善命令などに基づいて7月19日に報告書を提出し、一区切りとなったかにみえる。一方で、証券部門は戦略の周回遅れ、信用の失墜、海外子会社を巡る自縄自縛の「三重苦」ともいえる問題を抱えている。わが国を代表するグローバル金融グループは、証券戦略の「質」が改めて問われている。
「いったい、三菱UFJグループは大丈夫なのか」。7月19日の記者会見をネット上で見て、ある大手証券の幹部は呆れたような表情でつぶやいた。10件を超える違反事案のいずれも「かなりレベルが低い」内容だったからだ。壇上に居並んだ亀澤宏規・MUFG社長、半沢淳一・三菱UFJ銀行頭取、小林真・三菱UFJモルガン・スタンレー証券社長等から発せられる言葉は、わが国のトップバンクグループとは思えない空虚な言葉の垂れ流しだった。
「MUFGの証券部門は脆弱なのではないか」という主旨の質問に対して、小林氏は「引き受けなどリーグテーブルではトップランクにある」と胸を張った。増資、社債などの引き受・・・
「いったい、三菱UFJグループは大丈夫なのか」。7月19日の記者会見をネット上で見て、ある大手証券の幹部は呆れたような表情でつぶやいた。10件を超える違反事案のいずれも「かなりレベルが低い」内容だったからだ。壇上に居並んだ亀澤宏規・MUFG社長、半沢淳一・三菱UFJ銀行頭取、小林真・三菱UFJモルガン・スタンレー証券社長等から発せられる言葉は、わが国のトップバンクグループとは思えない空虚な言葉の垂れ流しだった。
「MUFGの証券部門は脆弱なのではないか」という主旨の質問に対して、小林氏は「引き受けなどリーグテーブルではトップランクにある」と胸を張った。増資、社債などの引き受・・・