総裁選「裏の敗者」は麻生太郎
派閥「瓦解」で孤立無援の哀れ
2024年9月号
ついに最後まで、岸田文雄首相は政権の「後見人」に肝心な決断は漏らさなかった。それまでも日銀総裁人事、派閥解散、幾多の政策変更などを無断で断行してきたが、総裁選不出馬を告げたのも8月14日午前、緊急記者会見開催を報道陣に告知する直前である。
普段通り首相からの電話に出た麻生太郎自民党副総裁は「特に驚いたり慰留したりする言葉もなく、短く分かりましたとだけ答えた」(首相周辺)というが、少なからず動転したに違いない。電話を切るとすぐ側近らに次々と電話し「おい、岸田が辞めるぞ」と大慌てで知らせているからだ。
緊急時の行動は、人の器を表す。麻生氏は岸田氏の不意打ちにうろたえた。その後しばらく鳴りを潜めたのは、下手に動けば打つ手なしの窮状を露呈するため動くに動けなかったからだ。一部の政治評論は、麻生氏が引導を渡したと解説する。とんだ買いかぶりである。だったら「ようやく観念したか」とほくそ笑み、すかさず「ポスト岸田」の主導権確保へ動き出せばいい。だが、実際の麻生氏は虎の子の派閥がひび割れていくのをなすすべなく見ているしかない。
菅義偉にも勝ち目がなく・・・
普段通り首相からの電話に出た麻生太郎自民党副総裁は「特に驚いたり慰留したりする言葉もなく、短く分かりましたとだけ答えた」(首相周辺)というが、少なからず動転したに違いない。電話を切るとすぐ側近らに次々と電話し「おい、岸田が辞めるぞ」と大慌てで知らせているからだ。
緊急時の行動は、人の器を表す。麻生氏は岸田氏の不意打ちにうろたえた。その後しばらく鳴りを潜めたのは、下手に動けば打つ手なしの窮状を露呈するため動くに動けなかったからだ。一部の政治評論は、麻生氏が引導を渡したと解説する。とんだ買いかぶりである。だったら「ようやく観念したか」とほくそ笑み、すかさず「ポスト岸田」の主導権確保へ動き出せばいい。だが、実際の麻生氏は虎の子の派閥がひび割れていくのをなすすべなく見ているしかない。
菅義偉にも勝ち目がなく・・・