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台湾・頼清徳が「反腐敗」に邁進

政争重視で高まる「外交不安」

2024年9月号

 台湾の頼清徳政権が発足してから3カ月。対中強硬姿勢の頼氏は中国から「台湾独立派」と批判され、中台間の軍事的緊張はさらに高まっている。立法院(国会)では野党連合の厳しい攻勢で与党に不利な法案が次々と可決され政権運営は厳しい。これに抗して頼氏が展開するのが「腐敗撲滅キャンペーン」。与野党を問わず大物政治家を次々と摘発し政権イメージ向上を図る。「就任直後に汚職幹部を一掃し、権力を掌握した中国の習近平氏と同じ政治手法」との指摘も出ている。

「真の改革者」と称賛する声も

 8月21日午前10時過ぎ、台北市中心部の立法院の議員会館に台南地検の男性検察官ら数人が入り、捜査令状を見せながらエレベーターに乗り込んだ。「誰の部屋に行くのですか」「容疑は何ですか」。議員会館詰めの記者たちの質問を無視して検察官は同会館の八階にある台南選出の与党、民主進歩党(民進党)の女性立法委員、林宜瑾氏の部屋に入った。
 台湾の各テレビ局は、「頼清徳総統に近い林宜瑾氏の事務所に台南地検が強制捜査」と速報。政治関係者らを驚かせた。{br・・・

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