米兵「性犯罪」変わりゆく沖縄
「1995年」との熱量の相違
2024年8月号
沖縄で米兵による性犯罪が相次いで明るみに出た。政府の隠蔽疑惑もあって沖縄県民は、怒りの炎で燃えさかっている、と思いきや意外と冷静だった。現地から「沖縄の今」をリポートする。
25歳の米空軍兵長による少女(16歳未満)への性的暴行事件が発覚したのは、沖縄にとって最も重要な日である沖縄慰霊の日から2日後の6月25日。裁判所の期日簿を丹念に見ていた地元民放記者が、米兵による性犯罪を裁く公判があるのを見つけたのだ。
翌26日付の地元2紙は予想通り、1面トップと社会面を使って「性暴力『許せない』 市民怒り 子育てに不安」(沖縄タイムス)、「『無防備な子が犠牲に』支援者ら怒り」(琉球新報)などと、大々的に報じた。
3日後の28日には、米海兵隊員が5月26日に女性の首を絞め、暴行しようとしたが未遂に終わった事件も発覚した。