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社会・文化

「白ワイン」が食卓の主流に

量も需要も「赤」を上回る新時代

2024年8月号

 飲食店にワインを持ち込む習慣が広がっている。結構なことだが、料理と合わないワインを飲む愛好家も増えている。違和感を覚えるのが、寿司屋でブルゴーニュの赤ワインを開ける人の多いこと。一握りのネタを除いて、寿司とピノ・ノワールは調和しない。現地で食事すれば、ブルゴーニュのように冷涼な産地のワインは赤も白もバターを使った肉料理と合うことがわかる。ワイン自慢をするのもいいが、白木のカウンターに赤いシミをつけない気遣いをしないと、大将に嫌われるだろう。
 日本のワイン愛好家は赤ワインで育ってきた。手持ちのコレクションを調べたら、白ワインやシャンパーニュより赤ワインの方が多いのは間違いない。フランスやイタリアからワインの世界に足を踏み入れる人間が多いからこれはいたしかたない。ただ、魚介と野菜に恵まれた島国で無理に赤ワインを合わせる必要はない。白ワインの魅力を見直す時がきている。スパークリングワインを含む白ワインの人気は世界的な傾向だ。伝統的な日本の食を自由に楽しむインバウンドが増えているのに、日本人のワイン嗜好は遅れている。
 
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