タバコ企業と医療者「禁断の癒着」
「喫煙大国」日本の恥部
2024年8月号
世界最大のタバコメーカー、米フィリップ・モリス・インターナショナル(PMI)と東京大学や京都大学の研究者との「癒着」が浮上している。問題の内部告発を受け、六月下旬に英国の専門誌が取り上げ、有力海外メディアも報じた。世界中の関係者の関心を集めている中、日本では関係官庁の財務、文部科学、厚生労働省は無視、大手メディアも全く報じない。タバコ企業に物申さぬ忖度ぶりは、異常といえよう。
告発の概要はこうだ。PMIは主力の加熱式タバコIQOSの売り込みとタバコ税軽減を狙い、ロビー活動などに加え、東大と京大の研究者に金銭を提供して、追い風になる研究を促した。それが利益相反になるというのだ。
英国で先陣を切ったのはオックスフォード大学出版局が発行する『ニコチン・アンド・タバコ・リサーチ』誌だ。6月27日、内部告発でPMIから流出した文書を英バース大学の研究チームが解析した論文を掲載。日本の研究者との癒着を白日の下に晒した。翌28日には、英『ガーディアン』紙と『英国医師会誌(BMJ)』、7月12日は英『ランセット腫瘍学』誌も続いた。・・・