ホンダと日産「協業」の内情
三菱自「合流」でも危うい関係
2024年8月号
日産自動車とホンダは3月、電気自動車(EV)などを中心に提携検討を始めると発表した。日本の自動車メーカーの2位と3位の提携は、世界中を駆け巡る大ニュースとなった。両社はそこからいくつものプロジェクトチームを作り、実際にどんな協業ができるか話し合いを進めている。しかし協議開始からまだ数カ月しか経っていないのに、ホンダ社内では日産に対する不満が爆発しそうだという。
「うちは日産抜きでも生き残れる。だが日産は違うだろう。それをわかっているのか」。不満をぶちまけるのは交渉に関わるホンダ関係者だ。ホンダ側の不満を簡単に言うと①レスポンスが遅い②決断が遅い(できない)③それなのにプライドだけ高い、に尽きるという。
とてつもない巨額の資金が必要なEV対応やソフト開発を共同でできれば、両社にとって資金負担が軽減されるのは間違いなく、協業しない手はない。逆に言えば、やれることは極めてはっきりしている。交渉の肝は、具体的な役割分担や技術の持ち寄りなどお互いの手の内を見せ合っての、妥協の部分だろう。