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経済

《クローズ・アップ》小林 一雅(小林製薬前会長)

辞任後も「高額報酬」の破廉恥

2024年8月号

「7,200万円の報酬をこれからもらうなんて、もはや理解不能。常人の神経ならあり得ない」。こう憤慨するのは小林製薬の社員だ。複数の死者が出た紅麹原料を含むサプリメント問題を受け、7月下旬にようやく取締役会長の座から退いた小林一雅氏が今後、特別顧問として月額200万円の報酬を3年間受けとることが判明した。
 小林製薬の4代目社長として1976年に就任、2004年に会長に就いてからも院政を敷いて、事実上のトップに君臨してきた一雅氏。今回の不祥事を受けても実は「取締役からの退任に最後まで抵抗していた」(全国紙経済部記者)とされる。社外取締役が過半数の取締役会で事実上解任された、という表現が正しいだろう。
 しかし、それでも悪あがきはやめなかった。本来、これだけの不祥事を起こして退任するのならば、きれいさっぱり身を引くのが筋。だが一雅氏は特別顧問として残ることが決まった。それだけではない。当初、特別顧問としての報酬は月額50万円となっていたようだが、最終的には月額200万円に積み増しされ、さらに顧問契約期間が3年間もの長期に設定・・・