海自不祥事は「陸」が刺したのか
激化する自衛隊「内部抗争」
2024年8月号
防衛省・自衛隊の不祥事大量処分が世の中を驚かせた。対象者は、背広組と制服組のトップを含めて218人。しかし、この問題は不可解な点が多い。国民は一体何に驚くべきなのか、肝心なところがよく分からないのだ。
内容は、特定秘密の規則を外れた取り扱い、潜水手当の多額ヤミ受給、基地食堂でのタダ飯食い、キャリア官僚のパワハラ。確かに正しいことではないだろうが、正直拍子抜けする。仮にも「軍隊」の不祥事と言えば、スパイ活動、重大機密漏洩、事件事故のもみ消し、記録改ざん、巨額装備費汚職、果てはクーデター計画……。それに比べると、処分された4案件は情けないほどみみっちい。悪質さより仲間内のなれ合い、緊張感のない甘えが原因だ。