世界「人材争奪戦」が一層過酷に
中印も人手不足が深刻化
2024年8月号
東アジアや北米、欧州といった世界経済の先進地域で、人手確保の競争が厳しくなり、深刻な人手不足が長期化している。高度な技能や知能を持った人材はもちろんだが、製造業を末端で支える労働力も各国で足りなくなっている。
発展途上国が目覚ましい勢いで経済発展を遂げ、労働力の供給源から雇用創出元になっていることが、世界的人手不足をもたらしている。労働力の高齢化が進む東アジアにとって、人手の確保は死活問題になっている。
インド農村部の激変
世界の二大人口大国である中国とインド。どちらもざっと14億人の人口を擁する。その両国で同時に、人手不足が起きているとは、にわかに信じがたいだろう。どちらも広大な国で、雇用状況にはそれぞれの国で地域差がある。だが、経済発展とともに人手不足の進行は疑いようがなくなってきた。