カマラ・ハリスを支える「アジア人脈」
期待を寄せる中国とインド
2024年8月号
大波乱の展開となった米大統領選の次の焦点は民主党の候補者指名をほぼ固めたカマラ・ハリス副大統領がトランプ前大統領を倒す集票力を持っているかだ。その重要な要素は言うまでもなく、ハリス氏の母親がインド系、父親がアフリカ系というマイノリティの血筋にある。だが、もうひとつカリフォルニア州を地盤とするハリス氏には中国系の強い後押しが期待できることを見逃すべきではない。トランプ優勢の情勢に“チャイナカード”という伏兵が加われば、ハリス氏にも勝機は見えてくる。
ハリス氏には時間が味方している。といっても年齢ではない。米国の人種構成の急速な変化である。直近の2020年の国勢調査では白人57.8%に対し、ヒスパニック・ラテン系18.7%、黒人・アフリカ系12.1%、アジア系6.0%、その他6.1%。10年の前回調査に比べ、白人比率は5.9ポイントも低下した。逆にヒスパニック・ラテン系は2.4ポイントも上昇。黒人・アフリカ系は微減だが、アジア系も伸びている。