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ウクライナ「トランプ停戦」の胎動

和平案で有力な「北方領土方式」

2024年8月号

 11月5日の米大統領選後、ウクライナ戦争が停戦に向けて舵を切る可能性が出てきた。民主党政権続投なら、戦争は継続するが、ウクライナ支援停止や和平仲介を掲げるトランプ前大統領が復帰すれば、戦争の構図を変える可能性がある。
 かつてテヘランの米大使館を一年以上占拠したイラン当局は、レーガン共和党政権を恐れ、1981年1月の就任式直前、外交官ら人質全員を解放した。レーガンやトランプは、何を仕出かすか分からないという畏怖感を関係国に与えるようだ。朝鮮戦争やベトナム戦争など、第二次大戦後民主党政権下で始まった戦争を共和党政権が収拾した事例もある。
 トランプは共和党全国大会の指名受諾演説で、「私が大統領であったら決して起こらなかったであろうロシアとウクライナの恐ろしい戦争や、イスラエル攻撃による戦争など、現政権が作り出した国際的危機をひとつ残らず終わらせる」と豪語した。
 米議会でウクライナ支援反対の急先鋒だったバンス副大統領候補は、大会演説では言及しなかったが、上院審議を通じ、「米国の最善の利益は、ウ・・・