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政治

《罪深きは この官僚》中嶋浩一郎(防衛省防衛審議官)

「パワハラ常習」でもまんまと栄進

2024年8月号

 海上自衛隊で相次いだ不祥事に関する大量処分は文字通り、前代未聞の規模になった。自衛官のモラルの低下は嘆かわしいことではあるが、いわゆる背広組も問題を多く抱えている。ある防衛省の官僚はこう嘆息する。
「海自関連の処分と同じタイミングで、内局官僚のパワハラについても停職や減給が言い渡された。どさくさに紛れて目立たせない意図が見え見えだった」
 これを画策したのが7月19日付で、官房長からナンバー2の防衛審議官に昇格した中嶋浩一郎。今回発表されたのは3人の幹部によるパワハラ事案だ。
 中嶋は、自衛官処分と合わせて発表するシナリオを描き「自ら首相官邸とすり合わせて了承を得た」(政治部記者)。そして発表数日前に解禁日縛りをかけて記者レクを行い、「炎上」させないためのお膳立てに手を尽くした。
 中嶋は2021年7月から2年間、官邸で首相秘書官の任に就いた。前首相の菅義偉と、現在の首相、岸田文雄に仕えたが、「政治家に取り入るのだけがうまい官僚」(前出記者)という評が聞こえる。これが「どさくさ紛れ」の根回しに役立った。
 処分された3人の官僚の名前は・・・

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