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経済

NTT「第二の埋蔵金」は誰のもの

澤田が狙う国民資産の「ぼったくり」

2024年7月号

 降って湧いたような“宝の山”。それをめぐり、自民党の郵政族議員からは懸念の声が上がる。
「NTT(日本電信電話)はまさか、国民の資産の売却益を私する気ではないだろうな」
 NTT埋蔵金―。同社は4月、漸減するメタル(銅)回線の固定電話に代わり、無線活用の固定電話へ移行を開始した。1885(明治18)年の逓信省発足以来、営々と全国に張り巡らされてきたメタル回線がいよいよ撤去される。それが図らずも“宝の山”となった。背景にあるのは銅価格の高騰である。スマートフォンや電気自動車の普及に伴って銅不足は深刻化し、太陽光発電所の電源ケーブルなどの盗難事件が急増していることは周知の通りだ。
 欧米の通信事業者もメタル回線の撤去を始めており、例えば英BTグループは今後10年間に80万トンの銅を回収し、その市場価値は最大70億ドル(約1.1兆円)を超えると試算されている。わが国はどうか―。NTTはメタル回線の総延長を明らかにしていないが、英国の2.2倍の全国6千万の世帯数から推定すると、ざっくり2.5兆円。巨額の埋蔵金が眠っ・・・

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