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韓国「核配備」の足音

日本周辺は「世界一危険」な地域に

2024年7月号特別リポート

 米国が在韓米軍への核兵器再配備を真剣に検討している。
 在韓米軍の核兵器は、東西冷戦が終結を迎えた1991年に、ジョージ・ブッシュ(父)大統領の決定により撤去された。それから30年以上を経て、再配備が検討されるのは、北朝鮮の核開発進展に加えて、中国の軍事力が急速に増強されているという、東アジアの新たな軍事情勢をにらんだものだ。韓国の国力増強を受け、再配備後の核兵器管理・運用は、かなり韓国側の意向を反映したものになると見られている。
 朝鮮半島に米国の核兵器が戻れば、ロシア、中国、北朝鮮と併せて、日本周辺は核大国や核兵器配備国が密集する、地球上で最も危険な地域になる。日本の安全保障戦略も、変化する新情勢をにらんだ見直しが迫られている。

米国での本格議論がスタート

「爆弾を落とした」という表現は、この話題では穏当ではない。
 だが、米上院軍事委員会で、共和党を率いるロジャー・ウィッカー上院議員が五月にまとめた政策提言は、東アジア全域の政策担当者たちに、大きな衝撃を与えた。
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