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社会・文化

東大法学部 「解体」のすすめ

低下する人気と質と「存在意義」

2024年7月号

 東京大学法学部は国家の中枢である中央官庁に人材を送り込むことで、そのブランド力を保ってきた。だが環境は大きく変化し、グローバル化の中で学生の「官僚離れ」が始まって久しい。抜本的な改革が求められているが、東大法学部の教育システムは旧態依然のままだ。しかも、解体的な組織一新を時代遅れのエリート体質が拒絶している。
 東大は10学部、15研究科、11附置研究所などから構成される巨大組織。法学部は、東大の公式発表で常に最初に記載され、いわば「筆頭学部」だ。法学部に次ぐのは医学部、そして工学部と決まっている。法学部には約150人の教職員と1574人の学生・大学院生(2023年5月時点)が所属している。
 23年度は卒業生366人中、56人(15%)が「中央官庁」に進んだ。1970~80年代にかけては卒業生約600中、130人程が官僚になったのだから減少は顕著だ。特記すべきは、「国家公務員総合職試験に合格しても、実際に官僚になるのは半分程度」(東大法学部生)であること。民間企業や法科大学院を天秤にかけ、半数が官僚の道を捨てる。
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