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政治

菅義偉が「新キングメーカー」なのか

主役なき「岸田後政局」の幻想

2024年7月号

 国会が終わったとたん菅義偉前首相が倒閣ののろしを上げた。
「首相が責任を取っておらず、不信感を持つ国民は多い。自民党が変わったという雰囲気作りが大事だ。国民に刷新感を持ってもらえるかが大きな節目になる」(6月23日「文藝春秋電子版」オンライン番組)。「新たなリーダーが出てくるべきか」と問われて「そう思う」、「誰を推すか」の問いには「決めていない」と答えた。政局にしようと手ぐすね引き、岸田文雄首相が泥沼にはまるのをじっと待っていたのだろう。
 再選戦略の描けない岸田氏に、遠吠えを繰り返す「ポスト岸田」候補たち。自民党総裁選が事実上始まった。政局回しのキーパーソンを探り合う党内で、まず視線を集めるのが菅氏である。
 主要七カ国首脳会議(G7サミット)で岸田氏が外遊中の六月十四日、「ポスト岸田」に意欲満々の茂木敏充幹事長は麻生太郎副総裁と約三時間半、岸田氏帰国後の十九日には菅氏と約二時間半、個別に会食した。麻生氏が岸田氏再選に気乗りしなくなっているのは衆目が一致する。「次善の候補」は茂木氏のはずだが、麻生派と小渕優子選対委員長らが脱会した茂木派だけでは数が足り・・・

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