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経済

《クローズ・アップ》角 和夫(阪急阪神ホールディングス会長)

宝塚の悲劇「冒涜」の続投

2024年7月号

「今年辞退しないで、いつ辞退するんだ」。阪急阪神ホールディングス(HD)が6月14日に開催した定時株主総会。会場から出てきた個人株主はこう息巻いた。話題の主はもちろん、角和夫会長だ。
 株主総会で株主から「角さん、(阪急阪神)ホールディングスの取締役を辞任してください」と迫られた角会長。「去就については自覚しており、75歳でもあり近々辞退はする」と弁明した。
 今年の株主総会で焦点となったのは、阪急阪神HDの子会社である阪急電鉄が運営する宝塚歌劇団(兵庫県宝塚市)で2023年9月、当時25歳の有愛きいさんが亡くなった事件。パワハラが原因の自殺とされ、さらにそれを最後まで組織ぐるみで隠蔽しようとしたことが世の中で集中砲火を浴びた。株主総会で角会長は陳謝したものの、引責辞任することはなかった。
 蓋を開ければ角会長の取締役選任議案への賛成比率は五七・四五%。上場企業の会長としては異例の低さとしか言いようがない。去年が九〇・四六%だったことを考えると急落だ。阪急阪神HDの関係者は「熱烈な阪神タイガースファンの株主は今年、賛成票を結構入れてくれた。昨年の日本一の立・・・

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